自然の中で、型にはまらずのびのび育ってほしい。そういう思いで保育園を探していた中で出会ったのがどんぐり幼児園でした。今は鹿児島に住んでいるのですが、当時は宮崎県に住んでいました。往復2時間半という道程でしたが、子どものためならと通う決意をし、4ヶ月間遠距離通園をしました。
入園してからあっという間に2年目を迎えて娘は年長になりました。虫を怖がっていた娘が「虫さんだいすき!」と手のひらにダンゴムシを乗せながら笑顔で話し、道行く草や花の名前を教えてくれ、「これはむかご!むかごごはんおいしいよ!」とパッと拾って見せてくれます。
秋になると娘のポケットはどんぐりでいっぱいになります。鳥の羽根も好きで、すぐに見つけては大事そうにポケットに仕舞います。自然いっぱいのどんぐり幼児園、先生方やお友達、そしてどんぐり自然学校のお兄さんお姉さんたちとの交流を通じて、暑い寒いだけじゃない季節というものを、小さな体中でめいっぱい感じて学んでいるのだと思うと、親としてもとても嬉しい限りです。
今年の家庭訪問の際にでたにじみ絵の話から、園での1日の流れを親も体験してみる、というのを先生方が準備してくださり、私は『探検の日』に参加しました。色々な虫や植物との出会いを楽しんでいる子どもたち。楽しむだけでなく、年長の子たちは小さな子を気にかけながら。宝物を見つけては大はしゃぎ。親もニコニコです。私が一番驚いたのは、朝の会のときに先生が小さな鈴をシャランと鳴らすと、娘が動きを止めて静かにしていたことです。じっとすることがあんなに苦手だった娘が、先生の話にしっかり耳を傾けている姿を見て、胸に来るものがありました。幼児園での姿を見ることの出来る貴重な機会を設けていただき、感謝でいっぱいです。
児童館等に行ったときも、小さい子がいれば自ら自己紹介をし、目線を合わせて話をしたり聞いたりしていて、どんぐりでもこうやって優しく接してもらっているのだな、模倣しているのだな、と思います。
生活の中で随所に娘の成長の足跡があって、見逃さないようにしたいなと思う毎日です。これからも、心を豊かに育んでいってほしいと願っています。
自分を見てくれる、向き合ってくれる人がいるということは、娘にとってかけがえのない財産として、大人になってもずっと心に残り、娘を支えてくれるものになると信じています。
(幼児園保護者)